ファクタリングとは、企業が保有している売掛金債権をファクタリング業者(以下、単に「業者」と述べます。)が、譲り受けることで債権回収等の事務手続きや売り掛け先企業の信用調査等を総合的に行う金融サービスです。欧米においては、一般的な資金調達手段となっていますが、日本においては現在のところそれほど一般的なものではありません。日本においては、現在、3種類の手法が、都銀系や商社系およびノンバンクの業者によって提供されています。

第一に、保証ファクタリングです。これは、商品等の販売先企業の倒産等に伴う、債権回収不能のリスクを回避するための手法です。業者は、販売先企業の信用を調査した上で、販売元企業に対しリスクに応じた売掛金債権の保証をし、販売先企業が万が一倒産したときには、その保証の範囲で売掛金債権を払い戻します。第二に、買取ファクタリングです。

これは、業者が販売元企業から売掛金債権を譲り受けて、この債権を管理するとともに販売先企業から債権の回収を行うものです。この手法においては、販売元企業が、大量に保有する小口売掛金債権をまとめ業者に譲渡すると同時に譲渡代金が支払われます。そのため、債権の回収が確実なものとなるため、販売元企業にとっては資金調達手段として活用されています。最後の第三は、国際ファクタリングです。

これは、国際的な輸出取引においてその代金の回収を確実にするために、採用されている手法の一つです。